耐熱ガラスって。


「えむに」はいろいろなものを作ります。
作り方も色々ですが、材料のガラスも色々。
今日はその中でも材料の耐熱ガラスについてちょいと。

正式には硼珪酸ガラス(ホウケイサンガラス)という種類のガラスです。
商標名のパイレックスが有名なのでパイレックスで通じることも。

あと最近だと「ボロシリケートガラス」(borosilicate glass)、
略して「ボロ」なんていう方もいます。

特徴は耐熱性、耐化学性に富み、比重は小さめ(軽い)等々。
耐熱ガラスでないガラスとの違いは早い話成分が違う。
(その成分についてははしょります。)

「耐熱」なんて言いますけど、
実際は熱衝撃に強い(温度変化に強い)という事で、
「何度まで耐える?」とは意味が違います。

熱いものに冷たいもの、冷たいものに熱いものなどすると、
ガラスもビックリしちゃうのですね。

すると普通のガラスは割れてしまうけど、
ホウ珪酸ガラスは割れないという事なのです。

身近に良く接したはずなのが理化学器具。
試験管やビーカーなどはこのガラスで出来てます。
「ああ、あれね」なんてビーカーを
アルコールランプで熱したコトを思いだされるかと。

そんな耐熱ガラスで出来たモノは
電子レンジやオーブンでの使用も出来るし、
薄く軽く作っている割には(そうなるような作り方をしています)
つくって、つかっている自分も不思議なのですが、なぜか欠けにくい。
そして欠けても簡単になおせてしまう。
毎日使うにも使いやすいガラスです。

その際注意して頂きたい事は、
・ガラスが熱いうちに濡れた布で拭いたり、水に触れたりを避ける。
・直火での使用はしない。
(オーブン、電子レンジでの加熱は大丈夫です)
・「強化ガラス」とは全く違います。
落としたり、無理な力が加われば当然破損します。
・研磨剤入りスポンジやクレンザーは使わない。
(一般のガラスと同様です)

以上の事ご確認頂き、楽しく長くご使用頂ければと思います。

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あとここからはガラスを少しでもかじった方向けに。
「耐熱ガラスって、徐冷いらないのでしょ?」とよく聞かれますが
COE(線膨張係数)が0ではないから必要です。
(色々な方がいますが僕はそう考えて全てのモノに徐冷をかけています)

割れにくいだけで、割れないわけでは無いのです。
吹きガラスと同様に温度アップしてる窯に出来てすぐ入れるもの、
まとめて窯にいれ常温から温度アップして徐冷するものなど
やりかたは様々です。

色ガラスもホウ珪酸ガラス用にパウダー、フリット、ロッド、色管など、
沢山の材料があり色数も豊富なので装飾もいろいろ可能です。

楽しいですよ。

あ〜、長くなりました。
このへんで。

ryu

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